バーニーズマウンテンドッグ ルークのお話 最終回

徒然なるまま

こんにちは。

種子島アニマルレスキューの吉岡裕美です。

こちらの施設も人を咬む犬は基本引き取っていませんと担当者は飼い主に伝え断ります。

若いバーニーズ、性格さえ良ければもらい手は見つかるはずなのに・・・

 

私はその日はたまたま休みで、次の日に出勤すると引取予定表の黒板に 

『バーニーズマウンテンドッグ ♂ 1歳半、吉岡さん宅で引取』

と大きく書いています。

普通通りに出勤した私、おはようございまーす!元気にオフィスに入ります。

職場の黒板を見て、担当者に、

「バーニーズ??

吉岡の家じゃあ無くても、若いし里親を募集したらもらわれるんちゃうの?」

と不思議に思い、伝えます。

 

「それがなぁ、凶暴な犬で飼い主を咬んで保健所で殺処分するって言われてんねん、

吉岡さんの庭でどんな子かトライアルで預かってくれへん??

写真はこんな子、優しい目をしているから犬は悪くないねん、飼い方の問題やと思う。

いい子やったらこの施設に入れて里親を探してあげよう。」

担当者も家に同じような凶暴のバーニーズを飼っていて、今回の相談をめっちゃ軽く考えてます。

 

えー、うち??

 

大型犬もおるし小型犬5匹(内下半身不随が2匹)、猫もおんのに咬まれたらどうすんの、

無理やん・・

と思いつつ飼い主に電話をかけました。

タバコと酒でやられたようなダミ声の飼い主、咬まれた事のショックと

ルークに申し訳ない気持ちもあって途中で声をあげて泣き出しました。

自分の飼い方が悪い、ルークは少しも悪くない。

殺処分だけは避けたいけど咬んだ実績があるので貰い手が全然が無い。

 

ルークは少しも悪くない

この言葉に愛情はあったんだと私の心に響きました。

分かりました、私が一旦預かります!

翌日には奈良の家に連れてきました。

 

どんな強面の犬だろう、対面するまでドキドキと緊張しながら夫とルークの到着を待ちます。

骨折したような包帯グルグルの飼い主さんと息子さん

犬を差し出します。

 

えーーー、こんなヘンテコバーニーズ??

夫とコケます。

凶暴には見えません。ぶさかわいい。

1歳半、27キロ、毛を刈られていて痩せてます。

先住犬のバーニーズにも遠慮する新入り。

一週間ほどでお散歩も上手に行くようになりました。

甘えん坊さんだし、だんだんルークが可愛く思えてきます。

飼い主を咬んだ犬とは思えません。

 

これなら来月は施設に戻して、ルークが施設の生活に落ち着いたら里親探しができると思い、

寂しいけど性格のいい犬だったのでホッとします。

 

そして、5連休明けに仕事に出ると引取の黒板に大きな文字で

「バーニーズ♂、1歳半、里親決定!!」と書いています。

 

えー??もう決まったの?

咬み犬で保護してるし、まだ人にどう出るか分からないし決めるの早くない??

 

「奈良の人がもらってくれるねん、ええ人や~」にっこり笑います。

えー誰??

もしかして、わたしん家??

 

この数カ月後、犬の引き取りの担当曰く、

「ルークは吉岡さんの家で幸せになるために、神様が飼い主を咬ませたんちゃうかなぁ。

さすがに人をケガさせた犬は責任やら補償問題、ここの保護団体としてつぶれる。

そんな子は里親さんに紹介できない」

 

えー何や、最初から吉岡家狙いやん(笑)

ルークとの数日の生活を思い起こし、

ゼロ(先住犬)と仲良く散歩も行くし、家の中に入れてても他の犬猫にも優しくできてたし・・・

まずルークに愛情が芽生えてしまったし、

ぶさかわいいルークと暮らすのもまぁいいかって思ってた時だったし。

何かの縁なんでしょうかね。

信仰心は全くないけど神様に感謝。

 

ルークはみるみる立派になって、家の看板犬にもなりました。

(ホームセキュリティー、セコム不要です)

このように吉岡家の犬になったルーク

今は種子島で元気に暮らしています。

クーラーっ子、暑さに弱いんです。

機会があれば会いに来てくださいね。

 

ホームページもあと数日で開けそうです。

ボランティアさん受け入れや里親募集の欄、協力していただきたい事項など

たくさん載せるために工事中です。

やってくれてる神戸の後輩由貴ちゃんに感謝。

 

明日は兵庫県西宮市からお友達がルークに会いに?ボランティアに来てくださいます。

トリマーでもある彼女、私の髪もきってもらおうかしら。

幼馴染の同級生もお母さんのお見舞いで長期で帰ってきてます。

神戸に住んでいる仲のいい同級生も一週間帰省。

みんながこのブログを読んでくれてると聞き嬉しく思います。

 

関西でしか会えなかった友達や同級生と島で会えるなんて感激です。

 

昨日は東京から種子島に移住してる方から、

ブログを読んで感銘を受けたとラインでメールをいただきました。

わざわざありがとうございます。

 

先日の乳飲み子、子猫の阪急君と阪神君の保護主さんも奈良出身で島に永住なさってるそうです。

この間再度家に来てくださって、今度は猫の里親をご紹介くださいました。

保護活動は人の協力が必要、一人では助けられません。

いろんな方とのご縁を大切にしていきたいと改めて思います。

 

今日は猫のトイレを10個洗って、大掃除、洗濯(乾くかなぁ)

いろいろとやる事いっぱいです。

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